昨日、明治大学法学部の授業で、「コード」について講義をした。
 コードの例として、学生に『怪獣使いと少年』(「帰ってきたウルトラマン」第33話)のビデオを見せた。知る人ぞ知る、問題作である。
 学生は、息をのんで見ていた。
 もう35年も前の作品・・・・・・
 リアルタイムでこの番組を見たのは、昭和46年(1971)11月19日。小学校二年生のときだった。
 いま見かえしみると、昭和のテレビ番組には、独特の暗さがある。平成の今日、これほどメッセージ性の強い作品を作ることは、テレビというメディアでは、難しいだろう。
 以下、簡単なメモ。

怪獣の名前は「ムルチ」。
 「チブル」星人、「キング・ジョー」と同様、沖縄系の名前か。
 脚本を担当した上原正三氏は、沖縄県の出身。
 JR高円寺駅の前に、「むるち」という沖縄料理店がある。

不良のいじめっ子たちは、下駄を履いている。
 朝鮮語には、「チョッパリ(つまさきが割れた足)」という日本人に対する蔑称がある。
  本作との関連は不明。

宇宙人の日本人名は、カナヤマ(金山)。

佐久間少年は、カナヤマ老人の故国に帰るため、宇宙船を探している。
 この番組が放送される半年前、1971年5月、初代の万景峰(マンギョンボン)号が就役。
  本作との関連は不明。

少年がパンを買った商店街は、祖師ヶ谷大蔵駅前商店街(東京都世田谷区)。
 円谷プロがあったのも、世田谷区。
 「ウルトラ」シリーズ作品のロケ地は、世田谷区が圧倒的に多い。
  参考 http://www12.plala.or.jp/ultraloc/episodes.html#KU

参考図書:
切通理作著『怪獣使いと少年』
きくち英一『ウルトラマンダンディー─帰ってきたウルトラマンを演った男』

「2ちゃんねる」に投稿されたパロディ作品
http://piza2.2ch.net/mona/kako/1007/10072/1007288900.html