二十年ぶりに会った。最初は一瞬、顔がわからなかった。正確には、顔は高校時代の面影があるが、髪型がまったく変わっていた
 
お互い年をとったなあ・・・・・・
 
昔の高校時代の友人たちの、その後の消息もいろいろ聞いた。杜甫の漢詩「衛の八処士に贈る」そっくりの気持ち。残念ながら、高校の同学年の中には、40代の若さですでに物故したのもいる。
 
発売中の拙著「絵でよむ漢文」
に収録した漢文や漢詩の大半は、自分が高校生だった時に愛誦した作品だが、今日読んでも全内容がく古びていないのは、古典ゆえの特権か。
現代国語や世界史の教科書は、内容が、この三十年でずいぶんと様変わりしてしまったが、漢文の教科書は、今も変化していないのがうれしい。
 
芸術は長いが、人生は短い。
漢文の本を書くたびに、自分は高校生のころと、あまり進歩してないな、とがっかりする。と同時に、すこしほっとする。自分の中には、たしかに、未熟で若かった自分の感性が、今もそのまま残っているから。