残暑がきついので、気晴らしにアニメ映画「借りぐらしのアリエッティ」の主題歌を、弾いてみた。
最近、「枯れた技術」に心をひかれる。
最初のコンサーティーナは、1829年、産業革命期のイギリスで発明された。
当時の西洋では、蒸気機関車とか、自転車とか、腕時計とか、産業革命期の技術を取り入れた新しい発明品が、続々と誕生していた。
アコーディオンやコンサーティーナも、19世紀前半の科学技術と、ヨーロッパの音楽文化が融合して生まれた、新しい発明品だった。
現在、蒸気機関車は、古くさい枯れた技術である。
しかし、SLは、今も根強い人気がある。
電子楽器が普及した今日では、アコーディオンやコンサーティーナも、蒸気機関車どうよう、「枯れた技術」の楽器である。
ただし、「枯れた技術」は、古くさくい反面、長い歳月を経て実用的に完成された、信頼性の高い技術でもある。
新幹線やリニアモーターカーもいいが、石炭をたいて蒸気で走るSLも、味わいがある。
電子楽器もいいが、蛇腹と金属リードという産業革命期の技術をこらした手風琴には、電気の楽器にはない味わいがある。
ジブリのアニメ作品は、「ラピュタ」にせよ「ハウル」にせよ、「千と千尋の神隠し」にせよ「もののけ姫」にせよ、蒸気機関とか、ボイラーとか、石火矢とか、過去の歴史の枯れたテクノロジーが、効果的に使われている。
コンサーティーナが、ジブリ作品の音楽の雰囲気とよく合う理由は、「古くて新しい、枯れたテクノロジー」の楽器だからかもしれない。
コメント