コンサーティーナで「人生のメリーゴーランド」
"The Merry-Go-Round of Life" on concertina
 
 夏休みの夕方。気分転換に、学校の誰もいない廊下に行った。木のベンチにすわり、コンサーティーナで、アニメ「ハウルの動く城」の主題曲を弾いた。
 窓の外では、蝉の声が聞こえる。
 終わりのないように思える猛暑の中にも、耳をすませば、秋の気配があるのだろうか。
 
 話は変わるが、「学校の怪談」が多い理由は、なぜだろう?
 生徒や学生は若い。生のエネルギーに満ちている。
 だから昼間は、学校には「陽」の気が満ちている。
 そんな学校も、夜とか夏休みとかになると、ガランとなる。
 ブラスとマイナスのバランスを取ろうとするのは、自然の摂理である。「陽」の気が減衰した無人の学校では、自然のバランスの摂理により、マイナスの「陰」のパワーに包まれる。
 つまり、お化けとか、怪力乱神のエネルギーである。
 こういうわけで、夜の学校とか、休み中で人のいない学校では、不思議なことが起こる、というイメージが人々の心の中にわくのではなかろうか。
 
 「学校の怪談」はさておき、蛇腹をのたうちまわらせる風の楽器、コンサーティーナの響きは、夏休みの、ひとけのない学校の空間にも、しっくりとあう。
 
 新学期になれば、この廊下にもまた、日本人学生や留学生たちのざわめきが戻るであろう。
 「陽」のエネルギーに満ちた若いヒトたちは、自分の国の言葉で、この曲のアニメの名前を口にするかもしれない。・・・
 
ハウルの動く城
Howl's Moving Castle
하울의 움직이는 성
哈尔的移动城堡/霍爾的移動城堡
Le Château ambulant
Das wandelnde Schloss
Ходячий замок
etc.