1964年のミュージカル映画「メリー・ポピンズ」。

 ヒロインのメリーの親友で、煙突掃除夫兼ストリートミュージシャンのバートが、「ひとり楽団」で踊りまわりながら、手風琴(てふうきん)を弾くシーンが出てくる。
 この楽器の名前は、コンサーティーナ(concertina コンサーティナ)と言う。より正確には、アングロ・コンサーティーナである。

 今から51年も前の映画だが、ヒロインを演じた女優・ジュリー・アンドリュース(1935年生、79歳)や、バートを演じた男優・ディック・ヴァン・ダイク(1925生、89歳)が、今も健在であるのは嬉しい。

 コンサーティーナは、日本ではなじみの薄い楽器だが、蛇腹が左右に伸び縮みする動きが絵的に面白いこともあり、ディズニーの映画やアトラクションでは、けっこう出てくる楽器である。

 http://www.geocities.jp/cato1963/foto/concertina-2013frozen.jpgアナと雪の女王」でも、ピクニックで地面に寝そべりながらコンサーティーナを弾く男(の絵)が出てくる。

 外国の映画には、けっこうコンサーティーナが出てくるが、日本の観客の大半は、残念ながらそれがコンサーティーナだとは気づかない。

 コンサーティーナはとても小さくて軽い。俳優の体が楽器で隠れてしまうこともない。俳優がバートのように踊りながら弾くには、うってつけの楽器である。
 ただし、映画では、たいてい俳優は楽器を弾く演技をするだけで、音源は別の録音であることが多い。
 
 日本でも、CMやアニメなどで、時々コンサーティーナを見かける(こちらの頁)。が、日本では、アコーディオンバンドネオンと混同されがちである。

 日本でこの楽器が本格的に認知される日は、いつだろうか?

 ★映画「メリー・ポピンズ」でバートが歌う名曲を、アングロ・コンサーティーナで弾いてみました。
 

【YouTube】 concertina, Chim Chim Cher-ee コンサーティーナ 「チムチムチェリー」