以下、日経ビジネスオンライン
の記事より引用。
江戸期は空前の中国ブーム、『三国志』が大流行
明治大学法学部・加藤 徹 教授に聞く【後編】
中島 恵 2016年3月9日(水)
(以下、記事の一部分だけ紹介)
--加藤先生の授業で中国の『白蛇伝』について勉強しましたが、この作品も日本に大きな影響を与えたと聞き、意外に思いました。
加藤:中国の『白蛇伝』は昭和の頃までは日本でもよく知られた物語でした。1956年の東宝映画『白夫人の妖恋』では山口淑子がヒロインを、八千草薫がその妹を演じました。58年公開の東映アニメ映画『白蛇伝』では、声を森繁久彌と宮城まり子が当てました。現在、世界的なアニメ映画作家である宮崎駿は、当時はまだ高校生でしたが、この東映の映画『白蛇伝』を見て感動して、のちにアニメ界に入るきっかけとなったといわれています。
--『白蛇伝』と日本、そして宮崎駿とのつながりなんて、私は考えたこともなかったのでびっくりです。
加藤:宮崎駿の話はけっこう知られている有名な話なのですが、こうして考えると、中国のことであっても、遠い話ではなく、つながっていることなんだな、と思えると思います。古代ローマに「およそ人間に関係することで、自分と無関係なことは一つもない」ということわざがあります。その通りだと感じます。人間である以上、初期条件はみんな同じです。全然関係がないように思える話でも、実はその中から自分に役立つ教訓を得られたり、知らないうちに自分と見えない糸でつながっていたりするということですね。
(中略)
宮崎駿の作品が中国の影響を受けていて、それが彼の作品に反映されているということを知っている中国人は多いです。他にも、1970年代に放送されたアニメ『宇宙戦艦ヤマト』の基本設定を書いたSF作家の豊田有恒氏は、中国の『西遊記』からヒントを得た、と述べています。地球が汚染されたのでイスカンダル星までヤマトが放射能除去装置を取りに行く、という設定は、中国が乱れたので三蔵法師が天竺までお経を取りに行く、というのと同じ構造です。
(中略)
宮崎駿の作品が中国の影響を受けていて、それが彼の作品に反映されているということを知っている中国人は多いです。他にも、1970年代に放送されたアニメ『宇宙戦艦ヤマト』の基本設定を書いたSF作家の豊田有恒氏は、中国の『西遊記』からヒントを得た、と述べています。地球が汚染されたのでイスカンダル星までヤマトが放射能除去装置を取りに行く、という設定は、中国が乱れたので三蔵法師が天竺までお経を取りに行く、というのと同じ構造です。
最近、再アニメ化が決定して話題となっている『銀河英雄伝説』は、未来の宇宙を舞台にした壮大なSF作品ですが、作者の田中芳樹氏は中国史や中国の古典文学にも造詣が深いので、随所に中国文学の趣向を活用しています。『銀河英雄伝説』の主人公のひとり「ヤン・ウェンリー」の名前の出所が、中国の南宋時代の漢詩人・楊万里(よう・ばんり。中国語での発音はヤン・ウァンリー)であるのは、ファンのあいだでは有名ですね。このように、知らず知らずのうちに、日本が中国の影響を受けているということは非常に多いのです。
(以下、省略。全文を読みたいかたは、日経ビジネスオンラインのサイトで御覧ください。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/238780/030400005/?n_cid=nbpnbo_twbn )

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