ドレミファソラシド…
 これは、誰でも知っている音名表記だ。
 「ちょうちょ」のメロディーは、

ソミミー、ファレレー、ドレミファ、ソソソー

と歌える。
 ちなみに、いわゆる「ソルフェージュ」っていうのは、こういうふうに、オタマジャクシの音符を口で読む練習も含まれるらしい。……私は西洋音楽はシロウトなので、間違ってたら、ごめんなさい。

 「ドレミ…」を使えば、ピアノの白鍵の音は、簡単に歌える。
 では、黒鍵にあたる半音は? 「ドのシャープ」とか「レのフラット」とか、いちいち長い言い方をしないと、歌えないのだろうか? だとしたら、とても不便だ。
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 例えば、毎週日曜日の夕方に放送されているアニメ「サザエさん」のエンディングの歌い出し「大きな空を…」
 のメロディー。これを、いわゆる「固定ド」で歌うと、

 レ、ファ、ファ、シのフラット、ソ、ファ、ミのフラット、ミのフラット…

となってしまう。
 いちいち「フラット」(半音さがる、の意)なんて歌ったら、リズムがグダグダになる。昔の私は、心のなかで「この曲のミとシは本当はフラットなんだ」と思いつつ、

 レ、ファ、ファ、、ソファ、みみ

と歌った。
 でも、自分で自分を騙しているような気がして、気分がスッキリしなかった(^^;;

 「シのフラット」とか、「ミのフラット」とかを、スッキリ、日本語の一音節で言えたら、どんなに楽だろうか。

 ということで、何十年も前から、日本の小学校の音楽の先生は、教育のため、「ドレミファ」の半音の音名をいろいろ工夫して、音楽の授業で実践してきた。
 いろいろ、というのは、今も決定版がないらしいからだ

 西洋語の「固定ド」の半音の言いかたは、子音で終わる発音があったり、L音とR音の区別を明確にしないとごっちゃになったりする。
 日本語を母語とする幼稚園児や小学生には、西洋語の音名は、なじまない。

  1971年、当時、世田谷区立明正小学校教諭だった岡本俊夫氏は、音楽之友社の月刊誌『教育音楽 小学版』11月号で、以下のような音名を紹介した。
 上記の記事の中では、小学校低学年への教育も考慮してのことなのであろう、ひらがなで表記してある。
 以下は、私が改写したもの。

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 この「岡本式音名」を使えば、アニメ「サザエさん」のエンディングの「大きな空を…」のメロディーは、

  レ、ファ、ファ、チ、ソファ、モモ…

と歌える。
 おお、簡単に歌えるじゃないか!

 でも、私のような音楽の素人にとって、岡本式は、ちょっと複雑である。
 例えばFの音は「ファ」と「マ」の2つもある。
 ピアノやアコーディオンでは、C♯とD♭は同じ高さの音(ドとレのあいだの黒鍵)だが、岡本式ではそれぞれ「デ」と「ル」のように区別する。
 岡本式は「異名同音」が多いのだ。音楽のムツカしい理論からすれば、そのほうが正しいのだろう。
 だが、リコーダーをプープー吹く小学生とか、趣味で楽器を習い始めた中高年には、理屈なんてどうでもいい。「異名同音」がない、シンプルな音名のほうが、助かる。

 そこで「異名同音」をなくして、スッキリと整理したのが、西塚智光氏による「西塚式音名」である。

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 アニメ「サザエさん」のエンディングの「大きな空を…」のメロディーを「西塚式音名」で歌うと、

 レ、ファ、ファ、チ、ソファ、リリ……

となる。おお! 岡本式の「レ、ファ、ファ、チ、ソファ、モモ・・・・・・」より、こっちのほうがチョッピリ良いかも!

 岡本式と西塚式は、五十歩百歩、と言われたらそうかもしれない。
 でも、私のようなアマチュア奏者にとっては、西塚式の「ドデレリミファフィソサラチシド」ほうが便利である。
 コンサーティーナで曲を練習するときも、私は、「ドデレリ」を使っている。

 西塚式と岡本式による「固定ド」については、私のサイト「コンサーティーナ入門」の中の
 にも書いておいた。
 興味のあるかたは、御覧くださいますよう(^^;;